青大豆(イワテミドリ)を豆腐に加工する工程は、その芳醇な風味と美しい色を最大限に引き出すための丁寧な水管理と熱処理が鍵となります。
浸漬(つけ水)
概要: 乾燥した青大豆を大量の冷水に一晩(8〜12時間程度)浸します。
目的: 大豆に水分を均一に吸わせ、硬い組織を柔らかくすることで、次の工程での効率的なタンパク質抽出を可能にします。青大豆の鮮やかな色を保つため、特に冷水管理が重要です。
磨砕(ごすり)・加熱
概要: 水を含んだ大豆を石臼やグラインダーで細かく磨り潰し、「生呉(なまご)」を作ります。これを釜で一気に煮沸します。
目的: 磨砕によりタンパク質と油分を水中に放出し、加熱(95〜100°C)により酵素を不活性化し、大豆特有の青臭さ(リポキシゲナーゼによるもの)を防ぎながら、風味豊かな「豆乳」を抽出します。
濾過(ろか)・分離
概要: 煮沸した生呉を布などで濾し、豆乳と「おから」に分離します。
目的: 滑らかで清澄な豆乳を取り出す工程です。青大豆の濃厚な甘みとコクが凝縮された豆乳となります。
凝固(にがり入れ)
概要: 熱い豆乳に「にがり」を素早く、均一に打ち込みます。
目的: 豆乳中のタンパク質(グリシニンなど)を凝固させ、プリン状の「寄せ豆腐」を形成します。にがりの選択と温度が、豆腐の硬さや食感、風味を決定づけます。
成形・冷却
概要: 充填機にて容器に豆乳を充填し、冷却します。
目的: しっかりとした形と、滑らかな舌触りを持つお豆腐に仕上げます。青大豆の芳醇な風味が活きた豆腐の出来上がりです。


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