里芋栽培は、冬季の積雪を避けた春の植え付けから、秋の収穫まで、集中的な土壌・水分管理が特徴です。
3月〜4月 種芋の選別・温床育苗
前年に収穫・貯蔵した種芋から良質なものを選びます。早出しのため、温床で発芽を促すこともあります。
4月下旬〜5月 植え付け(定植)
凍害の危険がなくなった時期を見計らい、畝立てした畑に種芋を植え付けます。肥沃で水はけの良い土壌が求められます。
6月〜8月 土寄せ(培土)
追肥を行いながら、株元に土を寄せる作業を数回繰り返します。これは子芋や孫芋が着く部分を保護し、芋の肥大を促すために最も重要な工程です。
8月〜9月 水分・病害虫管理
夏場の高温期は乾燥に注意しつつ、水管理を徹底します。里芋は水分要求量が高いため、特に重要です。
10月下旬〜11月 収穫
葉が黄色く枯れ始めた頃を見計らって掘り起こします。福井特有の激しい寒暖差が、この時期に里芋のデンプンと旨味を凝縮させます。
12月〜翌年2月 貯蔵
収穫後、凍結を防ぐため、土中や専用の貯蔵庫で保管します。これにより、翌春まで品質を保ちながら出荷することが可能になります。
この綿密なサイクルで、大野在来種里芋の持つねっとりとした食感と濃厚な甘みを最大限引き出します。


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